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白糸の滝B-5
高さ20m、幅150mにわたる巨大なアーチ上の岩壁を、膨大な水量の滝が千筋の白糸のように流れ落ちている。上流に川のある通常の滝と異なり、その水のほとんどが富士山の溶岩層から湧き出す伏流水。富士山がいかに豊かな水を湛えた山か物語っている。富士の巻狩りで立ち寄った源頼朝もその美しさを和歌に残し、富士講の時代には重要な巡礼の聖地になっていた。
西麓の道のすぐ脇に、驚くほど豊かな水世界があった。ある水辺は激しく音をたて、ある水辺は静寂に満ちて…。
山体に川をもたない富士山で、麓に突如を姿をあらわす、それらの水世界は、富士山という希有な自然の神秘を鏡のように映し出していた。
荒ぶる火の山として畏怖される富士山のもう一面。みずみずしく大地をうるおし、さまざまな命を育み、またある時は信仰の霊場として登拝者たちを清めた。そして今、旅人に清々しいひと時をもたらす水辺…、母なる富士山に出会った。
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おびん水B-5
「白糸の滝」のすぐ近く、鏡にように澄んだ泉が静かに湧き出している。名の由来は源頼朝がほつれた髪を直したという伝説による。富士講の時代には「人穴」とともに西麓の重要な霊場だった。
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陣馬の滝B-5
保存湧水地の猪之頭集落にある滝。鎌倉時代に西麓で巻狩りをした源頼朝が一夜の陣を張ったと伝わる。川の上流からの水と、溶岩層からの湧水の両方で滝を成している。形状は白糸の滝を小規模にした感じだが、こちらは滝壺に近寄り水辺に憩える穴場。
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マス釣り ワサビB-5
陣馬の滝近く、富士山の恵みの水を利用したニジマスの養殖やワサビづくりが行われている。冷たく透き通った湧 水に憩いながら、釣りやバーベキューなどが楽め、夏場のレジャーにも最適。
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湧玉池B-5
富士宮市の「富士山本宮浅間大社」境内に富士山の伏流水がこんこんと湧いている。主祭神の「木花之佐久夜毘売命」は、本宮では富士山の噴火を鎮める水徳の神として奉られ、霊水の湧くこの地が選ばれたとも伝わる。古来には富士登拝前の禊ぎ場。今も日本一の水徳を求める参拝者が多い。
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富士の水から生まれた地酒
伏流水が湧く西麓には酒蔵が点在。 富士山に一番近い酒蔵「富士正酒造」は「あさぎりフー ドパーク」で酒造りを行っています。人気銘柄「げんこつ」は辛口でスッキリとしたキレの良さが自慢。
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